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アトリエ通信〜アラスカ野生動物画家きむらけい〜

アラスカ野生動物画家きむらけいの日々徒然

エゾヒグマ遭遇事件 後編「函館ヒグマ事件」

遭遇体験のシーン全てがトラウマとなりました。

初めて釣った北海道の道南地方の川。
朝からパートナーとフライフィッシングを楽しんでいました。
午後3時頃、急に辺りの雰囲気が変わり、
周囲の森から何者かにじっと見られている視線を感じて
何だかわからない胸騒ぎに苛まれ、
鳥肌が立ち動機が激しくなった事を覚えています。

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美しい清流の妖精、ヤマメ

3時20分に林道へ上がりリンリンと盛大にベアベルを鳴らして歩いている間、
クマの濃厚なニオイがすると警戒しまくるパートナー。
雑木林の中ではパシ。パシ。と乾いた枝を折る様な音が鳴っていました。

10分後、ようやく林道に停車している車に着きひと安心。
ドアを開きトランクを開け、ロッドを収納しウエーダーを脱ごうとした時
かなり近くでパシっ。先程よりももっと大きな音が聞こえました。
と。雑木林の中からそろり。
ヒグマの大きな顔と大きな左前足が出て来た時の恐怖は表現出来ません。
パートナーに「車に入れ」と叫び、大慌てで車に逃げ込むのが精一杯。
(実際は顔面蒼白で「く、くるまっ!!!」「くるまあっ!!!」と
叫んだだけだったらしい)

車に逃げ込んだものの、ハッチバックのトランクが開いたまま。
これではヒグマに車内に侵入される可能性もあり、
閉めなければと思っても身体が硬直し、まったく動けないのです。
ヒグマは運転席側の約10m先の地点で相変わらずこちらを窺ったまま。
明らかに狙われているのは、自分。

エンジンをかけて発進しようとするも、キーが見当たりません。

トランクは助手席のパートナーが外に出て俊足で後部に回り、
地面に置き去りのままの靴も回収し、素早く閉めてくれました。
申し訳ない気持ちで一杯です。
ヒグマを見たのは私だけで、彼女は終止このヒグマを見ていません。
見たら狙われると思い、あえて下を向いたままだったそうです。
人生で一番早く走れたと言っていました。

トランクが閉められ、ようやく落ち着きを取り戻した私は、
自分のお尻で下敷きになっている哀れなキーにやっと気が付きました。
エンジンをかけクラクションを盛大に鳴らしながら林道を走り国道へ。
10分後に居眠り用のパーキングスペースを見つけ、
車から降りてウエーダーを脱ごうとするものの
体が震えてうまく脱げずパートナーに手伝ってもらう有様。
また緊張から開放された為、一気に冷や汗が全身を覆い、
虚脱感に苛まれてヘトヘトになってしまいました。

自分に危機が迫った場合、
かなり早い段階で違和感を感じる能力が存在するのが判明したのは収穫です。
恐怖が最高潮に達してしまうと身体がまったく動かなくなるのですね。
守るべきパートナーを危機にさらすようではいけないのです。

なぜクマに狙われたのか。
思い当たるのが匂い。
アラスカでは食べ物や食べ終わった紙くずも全てパウチに必ず収納、
匂いが漏れないように徹底するのが常識ですが、
この日はコンビニのビニール袋に食べ終えたお握りのパッケージを
梅干しや筋子などの一部が付着したままザックに入れていました。
ビニール袋の上部はくくっていましたが匂いは漏れます。

また明らかに雰囲気がおかしいのに車に着いて安心してしまうのも不覚です。
そこは舗装された林道でも、
彼らクマ達のテリトリーであることに変わりはないのですから。
速やかに車に乗り込み、安全な所まで移動してから着替えれば良いのです。
場所が変わり国内となると油断し基本を忘れてしまっていました。

初心者や臆病な人ほど常に細心の注意を払います。
恐怖感が慎重な行動をさせるのです。
経験者は慣れという油断が生じ隙が生まれます。
初心の頃の「大自然に対する畏敬の念」を持ち続ける重要さを、
あらためて認識した遭遇体験となりました。

千歳の友人の言葉が忘れられません。
「40年近く山で釣りをして来たけどヒグマなんて2回しか見ていないよ」
「そんなに簡単に見れないし出ないよ」
私達は2回目の釣行でこの有様でしたから。
自然界をなめるといけませんねぇ。

北海道では当分は単独やパートナーと2人で山の奥地へ入らず、
中流から下流域で大物を狙うことにします。
とはいえ下流域の町中の郵便局近くや
国道沿いの土手にもヒグマの足跡はありました。
やはり土地の友人かガイドに案内してもらう方が安心です。
人数が増えれば襲われる確立が減る事は科学的な事実です。

でも私はこんなに恐ろしい体験をしても
クマに対する憧れや愛情は変わらないのです。
願わくば彼らがいつまでも変わりなく
平和に森で暮らせる環境でありますように。

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千歳の友人とご家族のあたたかいおもてなし。ジンギスカンやエゾシカ、新鮮な魚介類と野菜。
ご親切にしてくださる地元の方達と、おいしい北の大地のめぐみに感謝。


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そして、この旅の相棒、レンタカー。No.がしろく(ま)だった。


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エゾヒグマ遭遇事件 前編「グリズリーレクチャー」

山間部では紅葉の気配が漂ってきました。
毎年この時期になるとクマによる被害が増えます。

私はアラスカ取材でグリズリー(アラスカヒグマ)の生息地に入るので、
現地でガイドやレンジャーのレクチャーを受けています。
その対処法を実行し、取材活動を安全に行って来ました。
日本のヒグマとツキノワグマにも通用するので、
国内の山間部へ入る場合にも活用、これまで無事故でした。

ところが昨年の6月、初めて釣った北海道の道南地方の川で
エゾヒグマに追跡され、危うく命を落としそうになりました。
約30分に渡り私とパートナーを尾行、少しずつ接近してきたのです。
アラスカでの対処法が通用しないケースが北海道のヒグマにあるようです。

北海道在住の友人に話した所、道南の辺りは道内のヒグマ3大生息地で
接近して来たのは若熊であろうとの事でした。
好奇心が旺盛で興味本位であえて人間に接近するらしいです。
(※好奇心が旺盛なのはアラスカのヒグマもブラックベアも同様ですが
好んで人間に接近はしない)
しかし接近して来たヒグマはかなり大きな体躯で若熊ではありませんでした。
釣り人の捨てた生ゴミによって
人間の食糧に興味を持ってしまった「人慣れ」と呼ばれる個体かもしれません。

〈アラスカで学んだヒグマ生息地でのルール〉

1.ゴミを捨てない
 (ヒグマに関係なく人として常識)

2.身体に匂いを付けない
 (化粧・香水・整髪料・歯磨き粉など厳禁。
  ガムやアメも歩行中に食べない)

3.食糧は匂いが漏れないようパウチに収納、
  飲料水はペットボトルで
 (アルミ缶は飲食後内部の匂いが漏れるのでダメ)

4.歩行中は大きな声を出しながら、
  もしくはラジオや熊鈴などを鳴らし、
  音でヒグマに人間の存在を知らせる事
 (口笛は逆効果)

5.ヒグマを発見した場合、
  相手がこちらに気がついていなければ
  速やかに引き返せ

6.ヒグマを発見した場合
  相手がこちらを見ている場合は停止
 (ヒグマが接近して来なければ
  目線を合わせてゆっくり後ずさり)

7.ヒグマを発見し相手がこちらに接近して来たら
  走って逃げるな、悲鳴もあげるな
 (走って逃げる相手を追跡する本能がある)

8.ヒグマに追いつかれたら
  うつ伏せに寝転んで
  両手を後頭部と首のあたりに組む事

9.攻撃は約数分間行われ、頭部に集中するが
  攻撃中に悲鳴を上げたり反撃はするな
 (悲鳴や反撃は相手の攻撃性を煽る)


9.の黙って攻撃を耐えるについては、確かに北米ではその通りに行動し、
重症を負って生還した例がありますが、あくまでアメリカ人(西洋人)の方の場合。
体格差で劣る我々日本人は、この数分間の攻撃で絶命する可能性が高いと思います。
初期の段階での注意力をより高めることが重要なのです。

北海道のヒグマの対処法として
「攻撃を受けた場合には鉈やナイフなどで反撃すべし」と書かれた著書があります。
火事場の馬鹿力なんて言葉もありますが、はたして私が実際にできるでしょうか。
北海道のエゾヒグマは捕まえた獲物を「撲殺」する傾向があります。
体重が100〜200kg、最大300kg位。
たくましい腕には一撃で牛の頭部を吹っ飛ばす威力があるそうです。

アラスカでは鈴を鳴らすなど人間の存在をヒグマに伝えれば
彼らは距離を取ってこちらに接近してきません。
これがヒグマとの友好的な共存方法です。
しかし人間がヒグマの生息地に、食べ残しなどの生ゴミや
パッケージを捨てて帰ると、この共存関係は崩れます。
人間の食べ物は味や香りが強く、一度でもヒグマが味わうと
彼らはその味覚が忘れられず、危険を忘れ
人間に接近し食べ物を手に入れようと考えます。
これが「人慣れ」です。

アラスカ(キーナイ半島)ではこれらゴミの問題が守られているのに比べ
残念ながら今回襲われかけた北海道の川沿いには
釣り人に捨てられたゴミが目立ちました。

北海道のヒグマの事件で有名なのが
作家故吉村昭氏の小説「羆嵐」で知られる「苫前三毛別事件」と、
昭和に日高山地で発生したF大ワンダーフォーゲル部の事件があります。
どちらの事件も被害者の方やご遺族の方のご心中を思うと、
お気の毒で心が痛みます。
今と違ってクマの習性について情報がほとんど得られない状況で、
周囲に対処法を教えてくれる人もいなかったはずです。
特に北海道から離れた地にあるF大ワンダーフォーゲル部の方は、
北海道のヒグマについて正確な情報を得る事は困難であったと思います。

「苫前三毛別事件」は大正時代に起こった一頭のエゾヒグマによる襲撃事件。
開拓農家の集落が2日間に渡って襲撃され、女性と子供合わせて7名と胎児1名が死亡。
初冬の冬眠前に農家の軒先に吊るされたトウモロコシに味をしめ、
農家に頻繁に現れるようになったのがきっかけで起こった
世界最大のヒグマ襲撃事件です。

私はクマの対処法について講演の依頼を受ける事があり、
この2件の事故の詳細を収集し、分析しました。
ヒグマの習性から浮かび上がった共通点は
「ヒグマに奪われた所有物をクマの隙を見て取り返した事」、
「走って逃げた人が優先的に襲撃された事」の2点。

ヒグマは仕留めた獲物を土中に埋めて保存し、数回に分けて補食します。
上記の2件は食糧の入ったザックや山中に連れ去られた遺体を取り返した結果、
獲物を奪われたと思ったヒグマに追跡され、事態が深刻化した代表的なケースです。

「苫前三毛別事件」で女性や子供が集団で避難していた
農家が襲われたケースでは、クマが他の人を襲っている隙に
逃走した人がさらに襲われ、
恐怖で失神した人や物陰に隠れてじっとしていた人が
無傷で生還した事実も見逃せません。
ターゲット攻撃中であっても、走って逃げる人がいれば
矛先を変え襲撃するのは、クマの本能だと思います。

動物看護師の経験を持つ私のパートナーは、
こうして2日間に渡って幾度も襲撃をくりかえした執拗さ
その以前にも何度も農家にあらわれていることを
病気などの影響で恐怖心をなくしている状態、
後天的もしくは先天的にヒグマの脳に障害があったのではと
考えているそうです。(残念ながら解剖はされなかったので不明)

これらの事件を知っていた事もあり、
実際に自分が追跡され、ヒグマの姿を見た時に恐怖で身体が硬直。
全く動けなくなる人生初の体験をしました。
危うく命を落す所だったのだとあらためて恐怖を感じます。

b scKINGDOM  王国2010
きむらけい KINGDOM-王国- 2010年

後編「函館ヒグマ事件」に続く。

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友人夫妻&3ワンコとの合同キャンプ〜涙の後編〜

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道から河原までの30mの急角度の崖を慎重に降りると
美しい流れが現れます。
降りてすぐの所に大物が居着いている場所が。
毛針はパートナーのスペシャルパターンを選択。

水面に浮く虫を模した毛針(ドライフライ)には大きく分けると2種類。
フライ全体が水面上にぽっかりと浮いて流れるハイフロートパターンと
フライのフック(針)の部分が水面下を流れる半沈みのパターン。

ハイフロートパターンの良い所は
水面上にフライ全体が浮いているために
魚にフライを見破られにくい点。
欠点は魚、特に岩魚はエサを捕まえるのが下手なため、
水面上にぽっかりと浮くフライを補食しにくい点にあります。
またフライは打ち込むのに空気抵抗を受けやすい形状なので
投げる技術が必要となります。

半沈みのパターンは魚が補食しやすく投げやすい反面、
フックが水面下にあるために見破られやすく、
これは虫ではないな、と魚に思われてしまうのです。

最初のポイントにパートナーのハイフロートパターンフライを流してみると、
岩魚はあっけなくフライに出ました。
が。残念ながら初回の獲物は空振り。

エサを捕るのが下手で水面に浮かぶフライにもゆっくり接近、
ゆっくりくわえるこの川のおおらかな岩魚を釣るには、
水面に浮かぶフライに岩魚が食い付いて反転し、潜る瞬間に
合わせ(竿を立ててテンションをかける)を行わないと空振りします。
彼のホームグランドエリアのヤマメ達は、釣り人が多いので警戒心が強く、
水面に出てくわえたフライに不審を感じると瞬時に吐き出すとか。
その影響で合わせを素早く行う習慣があっただけのことです。

いきなり出て来た岩魚を見て
釣れるのは時間の問題だと軽く考えていました。
ところが、ここからが苦戦の連続。

フライに出ても空振りしたり、気付かれて逃げられたり、
あげくの果てに遡行中の薮コギでルートを見失って道に迷ったり。
ほとんど飲まず食わずで
登っては釣り、釣っては降りの繰り返し。

午後3時、最後のポイントに到達。
ここで彼の自作の半沈みのパターンのフライを選択。
この日は岩魚が水面上のフライを補食し損なうケースが多く、
警戒心は薄いようなので補食しやすい半沈みのパターンに賭ける事に。

ポイントは2カ所。
最初の場所にフライを打ち込むとバシっと水面が割れ、岩魚が出ました。
が、残念ながら空振り。

その岩魚をあきらめ、次の最後の場所にフライを投入。
数匹の岩魚が泳いでいるのが見えてます。
しかし岩魚はフライに警戒し深場へ移動してしまったのです。

「念のためにさっき空振りしたスポットにもう一度フライを打ち込んで見ない?
エサを取り逃がしたと思っているかもしれないから」
私の提案に棟梁はうなずき、
先程の毛針のサイズを少し小さくしたパターンをチョイス。

あきらめの悪すぎるおっさん達の、
せつなすぎる夢をたっぷりと乗せたフライは。

ふわり、と水面に落ち、
その瞬間、バシッ!
水面が割れてフライが消え、
彼があわせると。と。
ついに、ロッドがきゅん、と曲がったのです。

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素早くネットに納めた25cmの初岩魚。
その瞬間に私は腰砕けになり、
指が白くなる程ネットを握りしめ、河原にへたり込みました。
信じられない事に、涙が出て来ました。
顔を上げると、なんと彼も河原にへたり込んで涙を拭っている。
夕暮れの河原にひざまづき、
泣きながら固く握手を交わすおっさん2人。

客観的にみるとものすごくキモイ光景ですね。
でも。
本当に心の底から感動したのです。
何枚も写真を撮って岩魚を川にお返ししました。
本当に良かった。良かった。良かった!

キャンプ場に戻るとパートナーと棟梁の奥さんが
あまりに帰り遅いので、釣れてないか、
川に流されたかのどちらかだね、なんて言っていたらしい。
釣れた後に行きつけの蕎麦屋へ遅すぎる昼ご飯を食べに行き
さらに帰りが遅くなったのでした。

目的を果たしたその夜の晩酌とバーベキューの味、
友人夫妻とワンちゃん達の楽しい歓談は生涯忘れません。

棟梁は、帰宅後にメールで送った岩魚の写真を
ありがたいことに額に入れて飾ってくれるそうです。

愛する岐阜県、
愛する美しい山々、
愛する美しい岩魚たちと川、
この素晴らしき大自然よ永遠に。

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友人夫妻&3ワンコとの合同キャンプ〜笑顔の前編〜

遠方の友人夫妻とその愛犬、ミニチュアダックス3匹と
私達夫婦のメンバーでぺット同伴可のキャンプ場が多い岐阜県にて
合同キャンプをしてきました。

初日朝に待ち合わせた高速のサービスエリア。
いつものステキな笑顔の友人2人と、
キラキラした愛くるしい目をして
元気いっぱいの3匹のワンちゃんと落ち合い、いざ出発。

管理が行き届いた、シャワー室付の気持ちの良いキャンプ場でした。
元気よく走り回るワンちゃんを連れたご家族が続々とサイトに集結。
キャンプ場は愛くるしいワンちゃんの笑顔でいっぱいとなりました。
飼い主に愛されているワンちゃん達は、とても幸せそうな笑顔をしていて
見ているこちらも幸せな気分になります。

夕食は両家が持ち込んだ取っておきの豚肉・鶏肉・牛肉を炭火で炙り、
おいしいお酒と行きつけのペンションで予約しておいた
自家製のおいしいババロアを食べ、可愛いワンちゃんをだっこしながら
久しぶりの再会に膨らんだ話で盛り上がり、気持ちよく就寝。

翌日、奥様とパートナーはキャンプサイトで
ワンコ達とゆっくりくつろいで過ごし、
私はご主人を渓流のフライフッシングにご案内。

彼は建設現場の棟梁さん。
日焼けした、逞しくおおらかなナイスガイ。
これまで数々の河川でヤマメを釣って来ましたが、岩魚を狙うも運悪く釣れず、
今回はどうしても渓流で岩魚を釣りたいとのリクエスト。

彼のために岩魚釣り用の毛針をパートナーが巻いてくれました。
彼女は独自にあみ出した岩魚釣りの必殺パターンを持っているのです。
この界隈の河川は熟知しているので、幾つかの釣り場所候補を頭に描きつつ出発。

走行中に棟梁から岩魚の習性についての質問を受ける。
私も経験がありますが、
釣った事のない魚は難しく考えてしまうものなのです。

ヤマメも岩魚も基本的には同じサケ・マス科の魚で
釣り方やポイントの狙い方は同じ。違いがあるのは魚の居着き場所。
ヤマメは中流域から上流域にかけて
流芯あるいは流芯に近い緩流帯の中層から表層を泳ぐ習性。
岩魚は上流域の岸よりの岩の影や窪みなど深場を好みます。

ですが、北陸や岐阜奥部の岩魚は、一般論に当てはまらないケースが多々。
ヤマメのように流芯の表層で上流から運ばれて来るエサを食べる場合や、
瀬尻の流芯に出ていることがあるのです。
ヤマメは岩魚が好むとされる石の影や窪みから出るケースはほとんどなく
ヤマメを狙って流芯を攻めて岩魚が釣れた経験はありますが、
岩魚を狙って石の影や窪みを攻めてヤマメが釣れた経験が無いのです。
そんな説明をしながら午前9時に到着。

ウェーダーに着替え、いざ渓流へ!
私は竿を持たず、ガイドに徹しました。
正午までに岩魚を仕留め、蕎麦屋で昼食を食べ、
温泉に入って帰宅する予定でしたが、やはり自然が相手。

1匹の岩魚を求めての過酷な過酷な一日が
始まろうとしていました。

涙の後編に続く。

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fallの意味をアラスカの湿地帯で知る

アラスカのキーナイ半島山岳地帯に全米屈指の大氷河、ハーディング氷河があります。
山岳地帯の大氷河から流れ出る水は、
小川となって山や森林地帯の全ての栄養素を集め、
やがて大河に姿を変え、海に豊富な栄養を届けるのです。
森林地帯に降り注ぐ雨の一部は伏流水になり
半島に広がる広大な湿地帯に大小3,000以上の沼や湖を形成します。

アラスカ取材時にいつもお世話になる、
キーナイ半島のカシロフの友人が経営するバンクハウス
(大きなお屋敷の半分の部屋を短期〜長期滞在用に貸し、バス、トイレ、食堂は共同)の近くに、
広大な湿地帯の中を流れるFalls Creekという小川があります。

平坦な湿地帯を流れているはずのこの川に
なぜ滝(Fall)があるのか、と不思議に思っていました。

ある日、友人とその仲間達とそこへ行く事になりました。
ヒップブーツ(股上まである長〜い長靴)を履き、湿地帯に降り立つと
少し離れた森の木々から、甘い樹液の香りが風に乗り運ばれてきます。
森は、たくさんの動物達の気配に満ちていました。

「足元が危ないから気をつけて」と友人。
そのセリフを放った直後、彼の姿が突如私達の視界から消えたのです。
友人は大きな穴にすっぽりと落ち込んでしまい、同行者全員で救出する事件が!
幸いなことに怪我はなく、全身泥だらけになっただけでした。

この辺りの広大な湿地帯は、かつては大きな沼だった所に水草が堆積し、
それが何層にも重なったため、人間が歩いても沈まなくなったそうです。
でも所によって水草の張りが浅い箇所があって、
運悪くその場所に足を踏み入れると
先程のように頭まで水没してしまうという誠に恐ろしい話。

Fallと言う単語は「滝」だけでなく「落ちる」と言う意味がありました。
そうそう、恋に落ちる、はfall in love、ですね。
友人の場合は恋でなく穴に落ちたのですが。
「滝」などと勝手に解釈すると危険な目に遭ってしまいます。

このような湿地帯は危険なだけではありません。
豊かな水は、多くの水鳥や魚や哺乳類や昆虫を育む「生命の揺りかご」です。

ここでお気に入りの水辺の生き物を2種ご紹介。
美しい水鳥、「コモンルーン」。
沼の大強盗と呼ばれる、「ノーザンパイク」

「コモンルーン(和名:アシグロアビ)」は、
白黒のまだら模様の美しい羽と、アクセントになるこれまた美しい赤い目が特徴。
鳴き声がとても個性的で、若い女性が甲高い声で「キャハハハッ」と笑っているように聞こえます。
真夜中にこの鳴き声が森の中にこだましているのを耳にすると、
大好きなアラスカに里帰りした実感に包まれ、とても幸せな気分になります。

BscLULLABY 子守唄2008
きむらけい LULLABY-子守唄-2008

「ノーザンパイク(和名:カワカマス)」は
体長50cm〜1mを超える、寒冷地に生息する大型の魚。
小魚やカエル、昆虫を好み、時には水面に浮かぶ水鳥を襲う事も。
水際の浅い所、水深10cm位のびっしりと生える水草の下に潜んで、
寸胴の大きな身体をピクリとも動かさずに獲物を待ちかまえます。
その姿はまるで潜水艦。
やがて獲物が水草の上や付近を通過すると、瞬時に襲い素早く丸呑み。
歯が鋭くて舌の上にも反り返った歯が生えています。
50キロ近いキングサーモン用のナイロンの太い丈夫な釣り糸すら、
この鋭い歯ですっぱり。
彼らを釣る時は、釣り糸の先端にワイヤーを使用します。

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フライフィッシングの場合はノネズミ型のフライを水草の中に打ち込み、
水草の上を小動物が歩いているように演出します。
突如、水面が大きく割れ、水草が跳ね上がり、
大きな魚体が水面でガバガバと大暴れします。
私はこの魚はリリースしますが
フランス料理のコースメニューにもなるような、とても美味しい魚だそうです。

さてさて少しずつ秋の気配が強まってきました。
秋は英語圏ではこれまたfallが使われます。
動物達が美しい姿にグレードアップし、恋の季節をむかえる時期ですね。

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稲川淳二さんのミステリーナイトツアー参戦

8/31(土)は楽しみにしていた
稲川淳二さんのミステリーナイトツアー「森ノ宮ピロティー」公演。

午前10時より稲川事務所のスタッフさんと共に
10/26(土)に開催する大阪市鶴見区の鶴見区民センターでの
稲川淳二さんの怪談ライブの開場下見と
音響照明・舞台設営に必要な設備確認を行いました。

事務所のスタッフさんも言って下さいましたが
この会場は新しくて開放的で音響照明も良くかなり素敵な会場と舞台です。
約2時間の間に関係者12名による入念な確認作業を終え、
来るべき日の準備確認を行いました。
公演の成功に向け、全力で入念に準備いたします。
関係者全員で精一杯のおもてなしをご提供出来ればと思います。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
詳細、お申し込みはこちらをご覧下さい。
大阪市鶴見区 秋の特別企画「稲川淳二 怪談祭」

CMはここまで。

会場下見の後、1ファンに戻り
鶴見の公演告知チラシをデザインしたパートナーと一緒に
いざ「森ノ宮ピロティー」へ。
会場前には「ミステリーナイトツアー」と書かれたツアートラックが。
私達と他の来場者の方々もバチバチ撮影。


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会場に入ってまずはグッズ売り場へ直行。
朝の鶴見会場下見の祭に稲川事務所のスタッフの方全員が着ていた
ミステリーナイトツアーの黒のTシャツがカッコ良かったので購入。
他は手ぬぐいと心霊写真ガム、DVDを。

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席が前の方だったのでいつにも増して興奮していると
今回がライブ初参戦のパートナーが少しビビっているのを楽しんでしまった。
会場で開演を待つ間が、何とも言えない緊張感があり、それも楽しみ。
遊園地の絶叫マシンに乗る前の様なワクワクドキドキな心境になれるのは、
稲川さんのライブの特徴なのかも。

会場で配られるチラシが入った袋に、
10月の鶴見のチラシも封入されていて
嬉しいことに取り出して見入っているお客さん達が多数。
ぜひいらしてください!と声をかけたいところだが
それでは単なるへんなヒトになってしまう…のでさすがに自粛する。

満席となり立ち見の席も用意された程の今夜の盛り上がりを見て
大阪の方々がこの稲川さんのライブを心より愛し、
楽しみにしているのが実感出来ました。

ステージに稲川さんが姿を現すと拍手と歓声が会場に満ちあふれます。
3方向に分けて丁寧におじぎをし、笑顔で手を振って下さる稲川さん。
開演が始まり怖くて楽しいお話に集中していると
あっと言う間に時間が流れて公演はお開きに。

公演終了後に楽屋へお邪魔し稲川さんにご挨拶と感謝をお伝えしました。
森ノ宮公演の最終日なので移動の為にほとんど時間が無い中で、
いつも通り温かく笑顔一杯で向えていただいて、
限られた時間の中で沢山お話をして下さり、
元気に会場を後にされた稲川さん。

今度お会いできるのは10月の鶴見。
仕事とはいえ、今からとても楽しみです。


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