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アトリエ通信〜アラスカ野生動物画家きむらけい〜

アラスカ野生動物画家きむらけいの日々徒然

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映画JAWS「ジョーズ」



前のブログで紹介していた
映画JAWS「ジョーズ」について綴ります。

監督/スティーブン・スピルバーグ
原作/ピーター・ベンチリー
音楽/ジョン・ウィリアムス

「ジョーズ」は1975年夏にアメリカ本土で
1975年の暮れから1976年正月に日本で公開されました。

今から40年前の1976年正月。

恐怖物の映画がまだ少なかった時代の
当時8歳の私には相当にきつい内容でした。
でもこの偉大な映画に連れて行ってくれた
両親に心から感謝しているのです。

公開されるや連日映画館には観客の悲鳴が響き
歴代ヒット映画の観客数と興行収入をことごとく打ち破り
世界中の海水浴客の減少にまで影響を及ぼしました。
公開7年後に日本テレビの初放映で最高視聴率(たしか45%位)も樹立。

当たり作の後には必ず複製が生まれます。
ホホジロザメが人間を襲う作品だけで10作品は超えているし、
ワニ、シャチ、ピラニア、オオダコ、グリズリーなど、
この映画以降、何種類の動物が人間を襲いに来たか…。

「ジョーズ」の撮影はCGが無い時代。
サメも本物そっくりに造られた電動式の作り物。

「ブルース」と名付けられたこのサメは
スピルバーグ監督の顧問弁護士の名前を拝借したそうです。

実は「ブルース」はピクサーのアニメ映画
「ファインディング・ニモ」にも登場。
「お魚は私達のお友達。私達はお魚は食べない」という誓いを
仲間のサメ2匹と交わして実行中(人間は食べないとは言っていない)。
(リンク動画開始から58秒後に登場)


当時の映画パンフレットによると撮影スタッフは総勢60名。
平均年齢が28歳と書かれています。
スピルバーグ監督は当時27歳。
この若いスタッフ達とともに週6日、1日14時間撮影の
ハードスケジュールに挑みます。

いざ撮影が始まるも
水中で使用する機械のサメ、ブルースはトラブルの連続。
水と油ですから最悪の相性、無理もない話です。
撮影期間は少なく、トラブルの連続。
やがて撮影予算も尽きてきます。

それでもスピルバーグ監督と
若さあふれる撮影スタッフは
皆で必死で挑み、この困難を乗り切ったのです。

スピルバーグ監督は満足に機能しないサメを
「ほとんど見せない」で
観客を怖がらせる工夫を徹底的に追及したのです。

終盤にサメが死ぬシーンでは
館内一斉に拍手が起こったので驚きました。
当時の大人さえもサメの恐怖に
本気で追いつめられていたのです。

「ものづくり」が大好きな私は
このように困った状況の打開策として編み出された
創意工夫に感動を覚えます。
DVDのメイキング特集はおすすめです。

CG全盛の今、あらゆる映像化が可能ですが
うまく撮影出来ない状況に直面しても
誤摩化しでなく工夫によって
新しい手法を生み出すような世界は
現在の映画界には存在しないのでは…。
技術の進歩による弊害を感じます。


〈個性派揃いの役者さん達〉
ブロディ署長(ロイ・シャイダー)
海が苦手で、泳げなく、船酔い持ちなのに
サメ退治に行く羽目になった地元警察署長。
昨年まではNYで勤務していたが、
何かの事情で島に家族と共に赴任する。
奥様は現在も島に馴染めずNYに戻りたがっているところへ
最愛の息子がサメに殺されかけて島の生活にうんざり中。

クイント(ロバート・ショー)
昔気質の百戦錬磨の豪快な海の達人漁師。
若い頃、第二次世界大戦で海軍に属し、
広島原爆をテニアンに運んだ輸送船「インディアナポリス」に乗船。
帰路に日本の潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没し、
海上で数日間救助を待つ間、
戦友が次々とサメに襲われた事がきっかけでサメ専門漁師になる。
可愛い黒の小型犬を飼っている。

マット・フーパー(リチャード・ドレイファス)
小柄で腕力に乏しいが常に冷静で優秀なサメの研究者。
独身で大金持ち。
研究用の最新式クルーザーも自費で購入し
世界中の海で研究を重ねている。
旧式の漁法で漁を行うクイントさんに
「金持ちのヨット遊び」と揶揄される。

〈物語と解説〉
アメリカ東部のある島。
海水浴客を次々襲った巨大なホホジロサメを退治するため、
市が予算を捻出して地元漁師クイントさんを雇います。
しかし海の経験豊富な彼も終盤は…。

彼専属の助手がサメ退治に恐怖し同行を拒否したシーンは
本編ではカットされていますが、
サメ退治の契約を結ぶにあたって
助手の同行を求めたブロディ署長は
海洋学者のフーパーさんを助手として推薦。

自分のペースで単独で仕事をしたい
クイントさんはこれを拒否するも
結局は叶わずしぶしぶ歩み寄った結果、
フーパーさんとブロディ署長とともに
3人で行く事になったのが不幸の始まり。

逃げ場のない船上で人間関係のギクシャクが露呈。
さらにサメの強大な力を前にして
心理的にどんどん追い込まれていく3人。
船底を攻撃されて少しずつ浸水してくる漁船。

やがてストレスと焦りから
冷静さを欠いたクイントさんの行動で船のエンジンが破損!
凶暴で巨大なサメのいる海で漂流してしまうのです。

優秀で経験豊富な海洋研究家のフーパーさんは
漂流中にシャークケージに入って海中に潜り
サメに毒薬を注入して殺すという
見込みの無い仕事をする羽目に。

海中に降りたとたん案の定シャークケージをボコボコに破壊され
喰いつかれる寸前にケージを脱出し海底の岩場へ避難するも
サメがいるので海底の岩場から浮上して漁船に戻れない。

直後、フーパーさんを喰い損なってイライラしたサメが
漂流状態となった漁船を破壊し
あわれクイントさんは犠牲となるのです。

海の専門家2人がいなくなった沈みかけの船上で
たった一人で巨大なサメに追いつめられる、
ブロディ署長の味わう孤独な恐怖の時間…。

巨大なサメばかりがクローズアップされますが
焦りと恐怖から冷静さを失って次第に追いつめられて行く
大人の心理的な部分を繊細に描き出した
スピルバーグらしいヒューマニズムが盛り込まれています。

機会があればこのクリエイティブな作品を
ぜひご覧になってください。


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-2015アラスカ取材手記-「JAWS生誕40周年」アラスカ版マット・フーパー博士

アラスカクック湾の海洋生物取材。
例年船酔いに悩まされ、ほとんど仕事が出来ない私。
ラッコやシャチなどの野生動物が現れてもシャッターさえ切れないのだ。

今回も毎年定宿にしているカシロフの
バンクハウスのオーナー、ポールさんがまたまた
ボートを出してハリバット(オヒョウ)釣りガイドを引き受けてくれた。

ポールさんとは15年前からお付き合いがあり
身内も身内、ほとんど兄弟みたいなものだ。

彼はS・スピルバーグ監督のJAWS(ジョーズ1975)に
海洋学者のマット・フーパー役として出演された
アカデミー賞俳優のリチャード・ドレイファス氏にそっくり。
声も目の色も同じ。笑い方まで似ている。

そのポールさんが所有するボートで海洋に出るのだから
船上のイメージは「ジョーズ」そのもの。

取材時は2015年の夏、
「ジョーズ」公開から40周年だ。

bDSC02082.jpg

ジョーズの役者さんのつもりで気を紛らわせ
船酔いは比較的軽い症状で何とか持ちこたえる事に成功。
少しずつ身体が船の揺れに慣れ始めた様な…。
今回は天候もよくラッコがかなり観察出来た。

bIMGP3621.jpg

実は直前に船酔い対策として
ポールさんのバンクハウス住人の
ケイミーさんからご親切に2つの秘密兵器を頂いた。

ひとつは「ショウガキャンディー」
乗船前に服用するのがよいらしい。
現場に向う車中で5錠服用。

ふたつめは手首のツボを刺激する「リストバンド」。
これは最高のアイテムだった。
バンドの中央にボタン状の突起物が埋め込まれており
手首の内側中央(橈骨と尺骨の間)の酔い止めのツボを刺激する。
気分が悪くなった段階でボタンを押さえて指圧すると
約5分位で体調が改善される。

ポールさんは海の知識も相当なもの。
小さなGPS片手にポイントと潮を読んで、
的確に安全にボートを操る姿は
まさにジョーズのマット・フーパー博士。
彼の最もかっこいい姿がそこにある。

bIMGP3617.jpg

ハリバット(オヒョウ)釣りは開始と同時に順調に当たりが。
この魚、当たりが来ても一呼吸間を置いてエサを送り込む必要がある。
パートナーは元気よく5本のハリバットと、
巨大なエイも釣り上げた(これはリリース)。
パートナーは船酔いに無縁なので海の上で生き生きしてる。
行きの揺れるボートの中で気持よさそうに昼寝してたぐらい。
無神経なのか…強いのか…
どちらにしろ実にうらやましい。

bIMGP3611.jpg

bIMGP3613.jpg

軽い船酔いと戦いながら、やがて私にも待望の当たりが。
ゆっくり慎重に合わせるとズシッとした重みがロッドから伝わった。
30メートルの海底から一気に魚を引き剥がさないと
大物の場合は海底に張り付き力一杯引き上げても浮上しないらしい。
巨大なシンカーと巨大な魚を
ゴリゴリ引き上げてようやく初物をゲットした。
今回のはやや小振りでしたが
これぐらいのサイズが美味しいらしいです。

少しずつ船の揺れに慣れて来たみたいなので
これからも北の海の取材を継続していこうと思っています。

ハリバットはその後みんなで美味しくいただきました。
白身で甘い美味なる魚です。

bDSC02086.jpg

bDSC02090.jpg

アラスカの豊かな海の恵みに感謝!



alaska | コメント:0 | トラックバック:0 |

本年もよろしくお願いいたします

またしても更新が随分あいてしまいました。
皆様年末年始、いかがお過ごしでしたか?

昨年10月に大阪中津のくまのみギャラリーで開催した
「オオカミとっても大好き展」は
おかげさまで盛況となりました。
皆様に感謝申し上げます。
今年もまた同じ10月に開催を予定しております。
オオカミ作家さんのご参加そして
オオカミ好きさんのご来場をお待ちしております。
またあらためてお知らせさせていただきます。

本年もよろしくお願いいたします。

作品は鉛筆画習作。
いつも取材に行くアラスカの森をバックに描いています。

bForest of Sterling 2015c

"Forest of Sterling" きむらけい作 


テーマ:アート・デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術

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