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アトリエ通信〜アラスカ野生動物画家きむらけい〜

アラスカ野生動物画家きむらけいの日々徒然

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開高さん

開高さん

私がアラスカ取材のベースにしているキーナイ半島。
野生動物の豊富さと濃い生息密度、
他の地域よりも大きな個体が多いこと、
そして美しい風景を織りなす雪山と大氷河、
豊かな森と川、湖、海など
多様な大自然のポテンシャルは
アラスカ随一だと思っています。

1970年代後半に芥川賞作家である開高 健氏が
この地、キーナイを訪れ、
巨大な魚と格闘し、雑誌に釣行記を連載。
偉大なる文豪の紀行文です。
愉快・痛快・壮快。タイトルは「オーパ!」。

1980年代にはビデオ「川は眠らない」を発表。
(DVDとして再販されています。)
開高さんと巨大なキングサーモンとの息詰る攻防の他、
キーナイ半島の美しい自然と野生動物達が
魅力たっぷり収められています。
企画されたのは開高さんのご友人、広告写真家の青柳氏。

人生で行き詰ったり、
悩んだり、
悲しい事があった時。
この映像の中で開高さんが語られている言葉に
幾度も助けられました。

「やりたいことをやりなさい」
「グラスの縁に口をつけたら一滴残らず飲み干しなさい」
「後で戻って来てもグラスの底に滴は残っていない」

偉大なる先生のお言葉を自分流に都合良く解釈。
パートナーと2人やりたい事をやりたい時に行い、
18年間(私は20年以上)心の故郷アラスカへ通い、
野生動物の絵を描き、大好きなフライフィッシングをして来ました。

私達がキーナイに惹かれた一番の理由は
オオカミと美しい氷河と雪山の存在でした。

機材が小型化されていなかった時代、
総重量2トンにもなる撮影機材を持ち込み撮影された美しい映像の多くは
アンカレッジからキーナイを結ぶ「スターリングハイウェイ」の道沿いから
ほんのすぐ近くの所で撮影されています。

80年代半ば景気もよろしかった頃ですので、
水上飛行機でバンバン奥地へ入って撮影する事も可能だったと思います。
もしかするとそんな映像も撮影されたのかも知れませんが。

私もアラスカの風景を描くために現地取材をしますが
資金をつぎ込んで
もっと奥地の前人未到のエリアに行けば、
より美しい風景に出会えるとは限らないのです。

人は何を見れば、何処を見れば、美しいと感じるのだろうか。

美しいキーナイの風景を捉え、
最高の映像美を仕上げたこの作品「川は眠らない」は
本当に素晴らしいものです。

1989年12月9日、開高さんは
58歳の若さでこの世を去りました。

あれから24年。

著書「オーパ!」の中で
「荒野の村に3本程の毛が生えた程度の町」と
開高さんが表現されたソルドドナの町やキーナイ空港の周辺にも
多くの住宅が増え巨大なスーパーも大きな道路も出来ました。
でもそれはほんの一部のスペース。
大自然と多くの野生動物と偉大なるキーナイ川は
当時と同じ姿を留めています。

美しい自然がいつも変わらずに存在する。
それはとても幸せなことだと思うのです。

アルコールは飲めない私ですが
いつか許されるなら、開高さんとグラスをかわし
キーナイのお話をしてみたいものです。

合掌。

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