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アトリエ通信〜アラスカ野生動物画家きむらけい〜

アラスカ野生動物画家きむらけいの日々徒然

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アラスカ取材手記 〜その1 体格差・体力差〜

アラスカは手付かずの大自然がどこまでも広がる大地。
野生動物を取材したくても陸路さえないこともあります。

水上飛行機をチャーターして飛ぶか
ボートをチャーターして川を遡るか…
あるいは努力して原生林を薮コギしたり。
地元のガイドさんに同行していただく必要が多々あるのです。

立派な体格のアメリカ人のガイドさん。
私達日本人と体力の差が大きいのです。

「このちょっと先にとても美しい場所があるよ」
「なに、大した距離ではないよ」
「とても簡単なトレイルさ、ハイキングだよ」

などと言われて気軽に行ってみれば丸一日のハードな行程。
中でも一番気をつけなければならないのは、着るものです。
真冬の装備でいても震えるような気温ですら
彼らはフリースを着ているだけで平気な顔をし、
雨が降ってきても私達よりかなり後になってようやく雨具を羽織ったり。

とにかくどこへ行く場合でも厳重な用意で臨まないと
こちらは大変な目にあうのです。
彼らにとってはなんてことないのでしょうけど。

徒歩の場合、彼らは私達の短い歩幅に気付いてはくれません。
「ゆっくり歩いて下さい」と主張しなければ
どんどんどんどん進んでいってしまうのです。

川を遡行する場合、長身で足の長い彼らは渡れても、
私達は浅瀬を探して大回り。
最短ルートで進めない場合がほとんどです。
川を渡ろうとして、水の勢いと深さで立ち往生。
ガイドさんにオンブしてもらって対岸にたどり着くなんてことも。

かつて。
最も過酷な状況に追い込まれ、
軽い低体温症のため気を失った事が一度だけあります。
それは2009年、単独でアラスカ取材をした5年前のこと。

いつもお世話になっているカシロフのバンクハウスのオーナー、
ポールさんに同行していただいた
キーナイ半島のクック湾に生息する
シロイルカ・シャチ・ラッコ・ザトウクジラなどの
哺乳動物の取材を兼ねた、食味の素晴らしいハリバット(オヒョウ)釣り。

「ポイントはほんの少し沖、沖合は寒いからね」
これがポールさんの説明。
時期は7月半ば、アラスカでもキーナイは北海道の釧路と同じくらいの気温。
低気圧が来ても雪にはならない。
日本(関西)の真冬の寒波が到来した場合と同じ装備で
大切な取材の相棒の一眼レフを抱え、ボートに乗り込みました。
長袖のアンダーシャツに長袖シャツ、
その上にフリースを羽織りトップにゴアテックスのレインジャケット。

ポールさんの「ポイントはほんの少し沖」は、
キーナイ半島最南端の町「ホーマー」に近い
「アンカーポイント」の沖合20kmの地点でした。
はるかかなたに霞む陸地。

そしてタイミング悪く
雨男の私らしくおなじみの低気圧がやってきました。
いやはや、沖合の氷雨がこれほどまでに強烈に体感温度を奪うとは。

海水温は真夏でも摂氏0度近く、冷たい海風と氷雨のダブルパンチ。
おまけにポールさんのボートは全長3メートル位のリバーボート。
クルーザーの場合には海面よりも高い位置にデッキがあるし、
キャビンに入れば冷たい海風と氷雨はやり過ごせるのですが。

つまり川でキングサーモンなどを釣る為に設計された小型ボートで、
冷海の20キロ沖合に出たのです。
刺す様な冷たい強風で波はうねりまくり
生涯初の強烈な船酔いに襲われました。

過酷な世界が私を待ち受けていたのです。

その2に続く。

bDSC02047.jpg
アラスカ ホーマーの港




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