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アトリエ通信〜アラスカ野生動物画家きむらけい〜

アラスカ野生動物画家きむらけいの日々徒然

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アラスカ取材手記2014〜その3 5年後のリベンジは…〜

前回からの続き

そしてそれからもアラスカ取材に行きましたが
ついにリベンジのチャンスが訪れたのは
今年の8月のアラスカ取材。

8月13日アラスカ滞在4日目。

早朝からキーナイ川の釣りと川沿いの生態系取材。
のはずが大トラブルが発生。
ガイドさんが待ち合わせ場所に来ない。
連絡もつかない。
のでプランBを発動。
前々から狙っていた海取材のリベンジに挑戦。

車でキーナイ半島の海岸線を南下、ホーマーへ。
アラスカのシャングリラ(理想郷)と呼ばれる美しい港町。
北の海の魚介類の宝庫なのです。
またハリバット(オヒョウ)釣りのメッカで
港には沢山のチャーター会社(乗り合い船)のオフィスがあり
飛び込みで運良く正午スタートの
半日ツアーの空きが見つかりました。

5年前の悪天候時の苦い経験を参考に
車に積んで来た予備のフリース、カイロなどをザックに詰め乗船。
問題は船酔い対策。
が、海に出ることは想定しておらず酔い止め薬を持っていない。
まぁ天候が安定していれば問題ないのだが…。

ハーバーへ行くとクルーザーには20名程のゲストが出航待ち。
船長の娘さんと思われる陽気な女性のガイドさんが
笑顔で出迎えてくれる。

朝方降り続いていた雨はやみ、
太陽が顔を出す。
正午過ぎ、キラキラとした陽光のもと、
無風のナギ状態の港を出航。

青い空。
青い海。
白い山。

美しい港の風景はまさにシャングリラ(理想郷)の世界。

bDSC01069.jpg

bIMGP2573.jpg

bDSC01089.jpg

bDSC01093.jpg 

約20分後に船はポイントに到着。
竿とリールはカジキ釣り用くらいの大きさで
シンカーも手のひらサイズとかなり大きめ。
ところが透明度の高いこの海に仕掛けを投入すると
とてつもなく重い仕掛けがあっけなく流されて行く。
相変わらず潮流が早い。

bIMGP2575.jpg

開始早々に私に当たりが来た。
強い引き込みがあったので合わせようとするが
仕掛けが重くて竿を持ち上げられない。

ひたすらきりきりぎりぎりとリールを巻くが
強い海流と重い仕掛けに悪戦苦闘。
ようやく仕掛けが見えて来たが掛かっているはずの魚がいない!
エサだけ取って逃げられたのだ…。
タックルと仕掛けが重過ぎてリールを巻き上げている時に
魚が離れても気付かない。

間もなく船長からゲスト全員に仕掛けを回収する指示。
当たりが少ないので沖合に移動するらしい。

「さっきから肘が痛いので天候が急変するよ」とパートナー。
彼女は気圧が下がると古傷がある肘が痛むのです。
気圧計を装備しているようなもの。

これまでにも山間部で
彼女のこの助言に随分助けられましたが
晴天&べた凪の状況でそんな事を言われてもピンと来ない私。
何よりそんな事は起こって欲しくない。

bDSC01099.jpg

ところが10分もすると空模様が変わり
風が出始めて荒波が立ち始めました。

次のポイントに到着した20分後には
どんよりした雲から雨が降りそそぎ海面は大波の連続攻撃。
天使のように優しかった海が悪魔に豹変。

エンジンを停止しアンカーを打ち込むと
ボートがいきなりぐらり!と30度程傾く。

目が回り一気に船酔い発症。
すぐにトイレに駆け込んで連続で3回リバース。
胃の中がからっぽになり、キャビンでダウン。
大げさな話私にとって今の状況は
そう、ベーリング海のカニ工船の世界。
キャビンの窓から楽しそうに釣りをしている
パートナーをぼんやり眺める。
なんで彼女は平気なんだろうか。

船底にベッドが4つあるからそこで休みなさい、と船長。
優しいお言葉にありがたく倒れ込み廃人となりました。
胃の中には何も無いのに相変わらず気持悪い。
やがて疲労感が高まり意識が遠のいて行く。
「きぃ〜むらく〜ん、ひちゃちぶり〜」
冷海の悪魔の声を聞いた気がしました。

釣りが終了しパートナーに起こされるまで船底で気絶。
魚の食いが悪い中ツアー客全員に釣らせる為に
ガイドさんと船長さんは2時間残業したらしい。
パートナーは終止平気でご機嫌にハリバット釣りを堪能。
船酔いに苦しむ私と同じく
ご親切に酔い止めの薬をくださった
もう一人の船酔いのゲスト以外のメンバーは
全てハリバットを釣り上げ
ハッピーなツアーは大盛況で終了したのでした。

bIMGP2583.jpg
この海の色…同じ海とは思えない…。

bIMGP2579.jpg

前回のリベンジならず。

次回行くのかって?
実は行きたいのです。
でも迷惑をかけてしまうので無理だろう、が本音。
ああ、なんとかしたいものです。
楽しい釣りと美しい海ですから。

[ アラスカクック湾取材で観測した動物 ]
ザトウクジラ
シャチ
ラッコ
シロイルカ
サンドヒルクロウ
ハクトウワシ


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